《決勝》前橋商 堅守及ばすあと一歩 夢は次の世代へ
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4回裏前商2死一、三塁、西岡の右中間への打球を右翼丸山が好捕したため、生還できず天を仰ぐ三走小松と喜ぶ捕手須永=上毛新聞敷島
前橋育英打線を相手に力投する前橋商先発の井上
ベンチから声援を送る前橋商の干川記録員

 9年ぶりの甲子園にあと一歩届かなかった。前橋商打線はわずか3安打に抑え込まれ、試合が終わると悔しさに涙した。

 前橋育英の主戦梶塚彪雅を打ち崩せなかった。池田翔人主将は「テンポが速く、(的を)絞りづらい」、3番橋本優輔は「冬場からの振り込みが足りなかった」と振り返り、コースの読みが当たっても手が出ないほどの制球力に脱帽した。

 固い守備は決勝でも揺るがず、大量失点を許さなかった。四回1死満塁のピンチで捕手西岡龍二は邪飛をフェンスにぶつかりながら捕球。三塁の市場立也りゅうやはゴロに対し「体に球をぶつけてでも」と素早く前進してさばき、得点を与えなかった。先発井上温人はるとに疲れが見え、八回途中に継投した佐藤雄人は必死に投げ抜き、追加点を与えなかった。

◎投球磨き次の舞台へ 井上温大投手
 前橋商の主戦、井上温大はるとの夏が終わった。育英の右腕、梶塚彪雅との投げ合いになったが、被安打10で八回途中、3失点で降板。「何を投げても狙われている感じがした」と、痩身そうしんの左腕はベンチで泣き崩れた。

 準決勝の関学附戦で延長十二回を完投。だが、150球を投げた疲労は中1日では抜けず、「球が伸びなくてシュート回転してしまった」。

 多くの打者が空振りしてきた低めのスライダーは見逃され、決め球はカットされた。焦りから甘く入った球を痛打されたが、後半は気持ちを立て直し、持ち味の緩急とテンポの良さを取り戻した。

◎《支え人》ナイン励まし続ける 数字で感じた成長 干川大和記録員

 前橋商の干川大和は昨秋から全試合で記録員を務めてきた。試合前には相手チームの特徴を選手に解説。9年ぶりの優勝に王手をかけた決勝では「ベンチに入れなかった選手の分も、声を掛けよう」とナインを励まし続けた。

 昨秋からスコアを書き続け、ナインの成長を数字で感じた。「投手も打撃も守備も、みんなレベルアップした。粘り強く戦えるチームになった」と最後の夏を振り返った。

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