前橋育英 初戦敗退 国学院久我山に逆転許す 夏の甲子園
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国学院久我山(西東京)に敗れ、悔し泣きする前橋育英ナイン=甲子園
(左から)国学院久我山―前橋育英 1回裏、先制三塁打を放ち、ガッツポーズする育英の剣持=甲子園、6回裏前橋育英2死二塁、森脇が左中間に適時二塁打を放つ
ベンチ前に整列してグラウンドにあいさつする前橋育英ナイン

 【甲子園=広沢達也、中里圭秀、越谷奈都美】第101回全国高校野球選手権第3日は8日、兵庫県西宮市の甲子園球場で1回戦を行い、4年連続5度目の出場となった前橋育英は5―7で国学院久我山(西東京、28年ぶり3度目)に敗れた。

 育英は序盤、攻撃で主導権を握った。一回に剣持京右の三塁打で先制し、二回も敵失絡みで1点を加えた。一時、同点とされるものの、五回に剣持、須永武志、梶塚彪雅ひょうがの3連続安打などで2点、六回は森脇真聡が適時二塁打を放ち、再び優位に立った。

 だが終盤は守備の乱れもあって相手の攻撃を抑えきれず、七回に逆転を許した。荒井直樹監督は「守りを重視しているチーム。そこを徹底できず、流れをつかめなかった」と語った。

 一塁側の育英スタンドには約530人が駆け付け、最後まで勝利を信じて声援を送った。

◎前橋育英 先制実らず無念
 あと一歩、押し切れなかった。8日に行われた夏の全国高校野球選手権1回戦で、本県代表の前橋育英は西東京代表の国学院久我山に5―7で逆転負けし、初戦で甲子園を去った。初回から打撃で優位に立って先手を取り続けたが、終盤の反撃をこらえられず。丸山大河主将は「相手の流れを止められなかった」と唇をかんだ。

 ▽1回戦
国学院久我山(西東京)
002 001 310-7
110 021 000-5
前橋育英
(久)高下―宮崎
(前)梶塚、阿部―須永
(13時35分、28000人)

 ○…育英は活発な打線で中盤までの主導権を握ったが、終盤で覆された。初回に剣持の右越え三塁打で先制。同点に追い付かれた五回は剣持と須永、梶塚の3連打で2点をリード。六回は森脇の中越え二塁打で1点を加えたが、逃げ切れなかった。七回2死走者なしから5連打を浴び3点を奪われ、逆転を許した。

◎堅守ほころび流れつかめず
 リードを守って勝利する「いつも通り」の野球ができなかった。群馬大会で防御率0.68の絶対的エース梶塚彪雅が14安打と打ち込まれ、自慢の堅守は4失策とほころんだ。荒井直樹監督は「流れがつかめず、ミスの後に集中打。守り切れなかった」と悔やんだ。

 得点しても追い付かれ、とどめの一発は出ない。初勝利をつかもうと粘る相手は球場の大観衆も味方に付けた。耐え切れなくなった七回、2死から5連打を浴びて3失点で逆転された。梶塚は「抑えようという気持ちが強くて全体的に高めにいった。波にのまれた」と声を震わせた。

 正捕手須永武志は自身のリードを「40点」と評した。三回に死球が出ると、以降は右打者の内角を攻め切れず、配球の幅が狭まった。群馬大会ではタイムを取って梶塚と意思疎通を図ったが、この試合では内角球の要求に首を振られても「思うように間を取れなかった」と振り返る。

 日本一には届かなかったが、大舞台で得たものは大きいはずだ。一球ごとの大歓声や強豪と戦った経験―。県勢初の4年連続出場を成し遂げたからこそ、蓄積としてチームに残る。

 2年生の須永は「甲子園は簡単に勝てる場所じゃないと改めて分かった。この悔しさをみんなに伝えて、新チームで全国制覇を目指す」。30人の先輩と学んだものを、無駄にするつもりはない。(越谷奈都美)

◎秋から成長 存在感示す…2番森脇
 前橋育英の「攻撃的2番」森脇真聡が、2安打1打点と意地を見せた。「全打席、チームのためにつなぐ意識だった」と胸を張った。

 相手先発右腕に対し、「変化球が甘く入ることが多い。変化を狙いながら真っすぐも反応する」と打つイメージを固めていた。初回は単打と盗塁で先制の好機をつくり、六回は2死二塁で外角の直球を左中間へ。「長打でなくていい。食らい付く感じで打てた」と適時二塁打を喜んだ。

 昨秋は4番に座るも、春は野球への取り組み方を荒井直樹監督にとがめられた。森脇は「春は自分の結果しか考えなかった。夏はチームのためと意識できた」と自らの変化を振り返る。夏の群馬大会は打率4割5分5厘と吹っ切れたように快音を連発し、聖地でも存在感を示した。試合後に暗い表情はなく、「あの時の監督に感謝しています」とかみしめていた。

◎流れ呼ぶ先制打「成果を出せた」…3番剣持
 初回1死二塁、左打席の内角低めにスライダーが鋭く落ちた。前橋育英の3番剣持京右は、コンパクトに振る意識でこれを捉え、打球は右翼フェンスを直撃した。流れを生む先制の適時三塁打。「多かった外角を狙っていたが、球は速くなかったので内角も反応する意識だった」と振り返った。

 覚悟があった。好機でなかなか打てなかった群馬大会をばねに、甲子園では勝負強さを示そうと練習を積んできた。初回は追い込まれてもつなぐ意識で冷静さを失わず、三回は四球を選んで出塁。五回は一時勝ち越しにつながる安打を放った。初回の適時打について「やってきた成果を出せた。あれは良かった」とうなずいた。

 新チーム発足後、昨夏の甲子園に出ている剣持が、部員を引っ張る立場になった。夏の群馬大会は苦しい試合が多く、個人的にも望んだ結果が出なかったが、ある決まりを貫いてきた。「声で盛り上げること。新チームが始まって、その部分はこの日までやり切れた」。悔しい言葉と涙の合間に、誇らしさものぞかせた。(中里圭秀)

◎甲子園の経験 「全部生かす」…八回途中から阿部が粘投
 八回途中から継投の右腕阿部優太が、被安打1自責点0の気迫の投球を見せた。九回は死球と失策で1死一、二塁に追い込まれたが「バックを信じて、絶対にしのいでやる」と奮起。2者連続で130キロ台後半の直球で右飛に打ち取った。

 悔やむのは、八回2死から打たれた内野安打。一塁手が捕球した打球を「セカンドゴロだと決めつけてしまった」とベースカバーが遅れ、1点を献上した。大学でも野球を続けるつもり。「甲子園での良かったこと、失敗したこと、全部生かす」とはっきりした口調で話した。

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