健大高崎が県勢初の決勝進出 明治神宮野球 高校の部 あす決勝
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白樺学園を破り、初の決勝進出を決め、喜ぶ健大高崎ナイン=神宮
(左)健大高崎-白樺学園 9回裏、最後の打者を内野ゴロに打ち取り、ガッツポーズで雄たけびを上げる健大の先発下=神宮、(中)健大高崎-白樺学園 4回表健大2死二塁、木川が先制の右越え2点本塁打を放つ、(右)健大高崎-白樺学園 7回表健大2死三塁、山畑が橋本脩をかえす勝ち越しの左前打を放つ=神宮

 【東京=広沢達也、中里圭秀、時田菜月】第50回明治神宮野球大会高校の部は18日、東京・神宮球場で準決勝2試合を行い、関東代表の健大高崎が北海道代表の白樺学園に3―2で勝ち、群馬県勢初の決勝進出を決めた。もう1試合は東海代表の中京大中京(愛知)が近畿代表の天理(奈良)を10―9で破った。決勝は20日午前10時から同球場で行われる。

 健大高崎は四回、小沢周平が二塁打で出塁し、木川玲の右越え本塁打で2点を先制した。同点に追いつかれた後の七回は、三塁打で出た橋本脩生を山畑陸の左前適時打で返して1点を勝ち越し、逃げ切った。

 投げては先発の下慎之介が2失点で完投した。六回は先頭打者のソロ本塁打と失策絡みの失点で一時同点とされたが、七回に3連続安打による2死満塁の危機をしのぐなど、最後まで集中力を切らさずに戦った。

 初出場での快進撃に、青柳博文監督は「率直にうれしい。選手たちが粘り強く戦った結果」とたたえた。戸丸秦吾主将は「決勝も楽しみ。強いチームと戦って課題を見つけたい」と語った。

◎念願まであと1勝…健大高崎
 念願の日本一は目前だ。18日に東京・神宮球場で行われた野球の第50回明治神宮大会高校の部・準決勝で関東代表の健大高崎が北海道代表の白樺学園を3―2で破り、県勢で初めて決勝に駒を進めた。県予選3位から群馬県40年ぶりの秋季関東王者となった勢いは、各ブロック代表にも止められない。「下克上」が完成の時を迎えようとしている。

 ▽準決勝
健大高崎(関東)
000 200 100―3
000 002 000―2
白樺学園(北海道)

 ○…健大高崎の主戦左腕下が9安打2失点完投。粘り強い投球で七、八回の2死満塁のピンチにも、追加点を許さなかった。

 打っては四回、小沢の二塁打で1死二塁とし、木川の2ランで先制。同点に追い付かれた直後の七回は先頭橋本脩の右翼線三塁打、9番山畑の左前適時打で勝ち越した。

◎主戦の下 動じず完投
 健大高崎のエース左腕、下慎之介が試合をつくった。再三のピンチにも動じず、「自分の投球で仲間を鼓舞できるのが一番良い。今日はそれができた」と納得の表情で振り返った。

 七回に山畑陸の適時打で勝ち越し。仲間が取った貴重な1点を守ろうと、裏の守備は2死満塁となったものの次打者を右邪飛に仕留めた。「自分の持ち味は気迫ある投球」と自信があり、時折笑顔を見せる余裕があった。

 この日は直球が走っていなかったが、捕手の戸丸秦吾主将は「変化球を生かすため」と直球主体で強気にリード。八回2死一、三塁で内角の直球が死球となり再び満塁のピンチとなったが、戸丸は次打者のカウント2―2から直球のサイン。下は「思ったより球威があるのかも」と自信を持って投げ込み、空振り三振を奪った。

 バッテリーはほえながら大きくガッツポーズ。戸丸は「信じて(サインを)出してよかった」と安堵あんどした。中学生硬式の高崎ボーイズ時代から組む5年目の信頼でピンチを乗り越えた。

 下は今大会、3試合全てに登板し、目が覚めるような活躍で勝利に導いている。チームが最初に誓った「日本一」まであと1勝。「どんな相手でも向かっていくだけ」と絶対的エースは頼もしい。(時田菜月)

◎木川が先制2ラン「理想のスイング」
 健大高崎の5番、木川玲が四回2死二塁で先制の2ランを右翼席に放り込んだ。内角の直球を捉え「来た球を素直に振り抜く意識だった。理想のスイングができた」と喜んだ。

 背番号「13」の一塁手。「3」の安斎駿斗には体格で劣るが、打撃の確実性を自分の売りと考える。「決勝はどんな形で出場しても結果を残し、チームに貢献してアピールしたい」と自信を深めた。

◎ワンバウンドの変化球一振り…山畑が驚きの決勝打
 驚きの一打だった。同点の七回2死三塁、健大高崎の「盛り上げ隊長」山畑陸が、ベース付近でワンバウンドした変化球をたたいた。打球は左翼前に転がり、球場がどよめく決勝の適時打に。山畑は充実感をにじませつつ「(ワンバウンドを打って)少し恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべた。

 五回の2打席目まで、追い込まれた後にスライダーで三振していた。七回も追い込まれたが、かえって腹をくくれた。「変化球で仕留めにくると分かった。最後まで目をつけて振ろうと思った」。大きく外れたボール球にも泥くさく食らい付き、苦しい局面を打開した。

 兵庫県出身。実家は甲子園に自転車で行ける距離にある。小学生の時に健大が出ている夏の甲子園を目にし、「盗塁など足で揺さぶる攻撃を自分もしたい」と、機動力にしびれて進学を決めた。

 足で貢献するほか、積極的に声を出す盛り上げ隊長としても存在感を示す。六回に仲間のミスで追い付かれても「楽しくやろう」と元気に声を出した。健大の驚異的な粘りは、このムードメーカーが支えている。(中里圭秀)

◎野球部員や保護者ら声援…応援スタンド
 健大高崎の応援スタンドでは、野球部員や保護者らがエールを送った。保護者会長の戸沢英昭さん(43)=埼玉県=は「きょうも最後まで諦めず、接戦をものにして」と期待した。

 三回まで両チームとも無得点の立ち上がり。3年生の辻憲伸前主将は「自分たちの代は神宮や甲子園に出られなかった。その思いを継いで、できるだけ上に行ってほしい」と願った。

 四回に試合は動いた。2死二塁で5番木川玲が先制2ランを右翼席にたたきこんだ。母、八愛子さん(45)=横浜市=は「大会前に本人が打ってやると言っていた。有言実行。本当に良くやった」と大喜び。その後に追い付かれるもチームは七回に勝ち越し、スタンドも最後まで声援を送り続けた。

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