名門復活へ桐生高野球部 コーチに元青学大監督の河原井氏が就任
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真剣な表情で投手陣を指導する河原井氏=桐生高グラウンド

 青学大硬式野球部の監督として4度の大学日本一に輝いた河原井正雄氏(65)が、母校の群馬県立桐生高校の硬式野球部コーチに就任した。旧桐生中当時を含め県内最多春夏26度の甲子園出場、春2度の準優勝を誇る名門も「木暮、阿久沢」の1978年春夏を最後に聖地から遠ざかる。文武両道の名門再興を託された名将は「まず21世紀枠で甲子園を目指す」と意気込む。

◎「まず21世紀枠で」 母校で78年以来の出場狙う
 河原井氏は1987年に母校の青学大監督に就任し、東都大学リーグを12度制した。米大リーグでも活躍した井口資仁ロッテ監督、元日本代表監督の小久保裕紀氏ら数多くのプロ野球選手を育成。大学日本代表監督も務め、2007年の日米大学野球では米国開催で初優勝を成し遂げた。

 その指導力を桐生高野球部OB会が頼り、春から複数回、指導を要請。熱意に押され、9月1日付で正式にコーチに就いた。神奈川県在住のため、週末を中心に指導している。

 今秋の関東大会県予選では、青学大当時に数々の選手を見いだした手腕を早速発揮した。2回戦の高崎商大附戦で、練習試合でもほとんど登板していなかった1年生投手を先発に抜てきした。指導者、チームメート、選手本人でさえびっくりの起用だったが、今夏の群馬大会で健大高崎に打ち勝った商大附を7回1失点に抑えた。試合は1―2で競り負けたが、「光るものを持つ生徒はいる。鍛えれば強くなる」と手応えを得たという。

 当初は「今までと全く違う世界での指導だったから、コーチ就任は迷った」と振り返る。それでも指導を始めて2カ月もたたないうちに「夢に野球部の選手が出てくる。そのくらい熱中している」と充実感をにじませる。練習メニューを考案し、選手に細かく声を掛ける。「まだまだ線は細いし、野球だって全然知らない。ただ、すごく無垢むくだから吸収が速い」と評する。

 現在の高校野球界に危機感を持つ。「良い選手がみんな私立や県外の高校に行ってしまう。自分が子どもの時は桐高の『稲川野球』で甲子園を目指すことが夢だった。もう一度、憧れのチームをつくりたい」。名将稲川東一郎監督以来の教えを、次代に引き継ごうとしている。

 かわらい・まさお 1954年7月生まれ。青学大で1年生春に東都大学首位打者。卒業後は社会人の本田技研(現ホンダ)でプレーした。87年に青学大監督に就任し、2014年に一度退任。この間、元プロ野球選手の高山健一広島スカウト、清水将海ロッテ1軍バッテリーコーチ(ともに農大二高出身)らも指導した。17年12月に復帰し、18年10月に退任した。

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