夏の甲子園 代替大会 可否に注目 観客席利用 見通せず
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約9000人の観客がスタンドから声援を送った昨夏の全国選手権群馬大会の決勝=上毛新聞敷島球場

 今夏の全国高校野球選手権群馬大会が中止となったことを受け、群馬県高野連が代替大会の開催を決めた場合に、どのような方式、規定になるかが注目される。新型コロナウイルス感染拡大のリスクを避けるため、県外では例年開かない地区予選を検討。3年生のみのベンチ入りに限り、人数の制約を設けない動きも見られる。球場は観客席利用の見通しが立っておらず、見守る保護者は複雑な思いを抱いている。

 例年の群馬大会は全県から参加する60チーム余りでトーナメントを組み、甲子園出場校を決めてきた。他県でも同じ方法を導入している地方大会がある一方で、北、南北海道などは地区内から選ばれた代表校同士が勝ち抜き戦で優勝を懸けて戦う。

 夏の甲子園の中止が20日に決まり、地方高野連が独自大会の開催を模索する中、新型コロナ対策としてこの「地区予選型」を取り入れる動きが出始めた。岩手県高野連は地方大会を1区制としていたが、今年は県内を複数のブロックに分けた予選後に県大会を行う案が浮上している。

 事務局は同県の面積が広大である上、学校によって宿泊や長時間移動が避けられないことが背景にあると説明。「選手が感染するリスクを下げられる」と狙いを話す。群馬県は1年生強化試合「若駒杯」の形式がこれに類似する。春に東毛、中毛、西毛の3地区で予選し、それぞれの代表2校が決勝トーナメントに臨んでおり、一定の下地はできている。

 3年生の集大成の場として、従来とは異なるルールで代替大会開催を探る事例もある。茨城県高野連はベンチ入りが全員3年生ならば「上限20人」の枠を免除する考え。1、2年生を入れる場合は20人までで、判断は各校に任せる。

 群馬県は大会の開催可否を含めて未定だが、前橋育英の荒井直樹監督は甲子園への道が途絶えた最終学年の部員を思いやり、「(開かれるのであれば)ベンチ入りは3年生全員、などにしてほしい」と要望する。

 試合を行う場合には観客の有無が課題に挙がる。群馬大会の会場となってきた上毛新聞敷島、高崎城南、桐生の3球場は県独自の指針に基づく警戒度の引き下げに伴い、段階的に利用条件を緩和する方針。ただ、「当面は観客席は閉鎖する方向」(桐生)、「全面的な開放は厳しい」(敷島)といった声が上がり、状況は見通せない。

 西毛地域の公立高校野球部3年生の父親は、無観客試合について「『はい、そうですか』と簡単には受け入れられない。小さな頃から応援してきたので、最後のプレーを見届けたい」と胸中を語る。「観客の距離を置いたり、人数を絞るなどの配慮は必要」と例年のような集団での応援が難しいことに理解を示しつつ、「直接観戦できないなら、保護者代表のビデオ撮影を認めるなどしてほしい」と願っている。

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