《白球の詩》戸丸捕手と組んだ6年間 健大高崎・下慎之介投手
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6年間バッテリーを組んだ戸丸捕手のもとへボールを投じる健大高崎の先発下

 思い返せば、6年間バッテリーを組んだ捕手の戸丸秦吾とは性格が正反対だった。「あっちはすごい真面目で大人。いまだに何を考えているかが分からないし、学校で話すことはない」。そんな2人は、野球だと少し分かり合った。

◎プロの世界 一緒に
 高崎ボーイズでチームメートになってからの付き合い。試合で投球がミットに収まる度に、信頼関係が築き上がった。中学時代は投球サインを拒むことがあったが、「意図が分かるようになり、信じて投げるようになった」。高校に入ってからは首を横に振ったことはない。

 昨夏に新チームが発足し、2人で経験した関東大会や明治神宮大会。強豪校相手にピンチを切り抜けられたのは、戸丸が配球で持ち味を生かしてくれたから。おかげで元来の弱気も改善され、自分の中での存在が大きくなっていった。

 そして高校野球最後の試合の前日夜。早めにベッドに入ったものの、寝たくなかった。「『起きたら投げ合うのが最後なんだ』と思ったら、少しつらかった」。6年にわたって苦楽を共にした相方への思いが自然と込み上げた。

 翌日、先発として聖地のマウンドに立った。味わったことのない雰囲気を感じ取ったが、18.44メートル先には普段通りミットを構える戸丸がいた。その姿で気持ちを落ち着かせ、全力で放った57球。4回3失点と結果は残せず、チームも負けた。ただ、「戸丸と最後に一緒にプレーできて本当に楽しかった」。

 卒業後は自分がプロを志望し、相方は大学野球に進む予定だ。「進路は違うけど、またプロという世界で同じグラウンドに立ちたい」。再び、心通わせる日を夢見ている。(斎藤大希)

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