群馬・健大高崎センバツ8強ならず 天理に0-4で敗退 2安打8三振、三塁踏めず
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天理に敗れ、甲子園のグラウンドから引き揚げる健大高崎ナイン=甲子園
天理(奈良)-健大高崎 9回裏健大1死、天理の大型右腕・達(左後方)に、二飛に打ち取られ、悔しそうな表情でベンチに戻る健大の小沢=甲子園
天理(奈良)―健大高崎 4回1/3を投げ、天理打線を2安打無失点に抑えた健大の今仲=甲子園

 【甲子園=広沢達也、斎藤大希】第93回選抜高校野球大会第6日は25日、兵庫県西宮市の甲子園球場で1回戦1試合と2回戦2試合を行い、2回戦の群馬県の健大高崎は0-4で天理(奈良)に敗れた。出場した2012年、15年、17年の大会で続けてきた8強入りが途切れた。

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 健大高崎は、140キロ台の直球にフォークを交えた相手先発を打ち崩せなかった。2安打8三振と抑え込まれ、三塁は踏めずじまい。4点を追う八回に高松将斗が四球で出塁、堀江晃生が右前打で続いて1死一、二塁の好機をつくったが、併殺で得点には至らなかった。

 2失点後の二回途中に継投した今仲泰一は、4回1/3を無失点と好投。140キロ近い直球を軸に組み立て、走者を背負っても冷静に後続を断った。三塁伊藤翔哉もたびたびの好捕で投手をもり立てるなど、守備面には収穫もあった。

 小沢周平主将は試合後、「(相手先発の)直球に振り負けないようにしたが、上回られた。変化球も多彩だった。さらに打撃を磨いて、もう一度この舞台に立ちたい」と再起を誓った。

 天理とは12年、15年の大会に続き3度目の対戦で、健大高崎の初黒星となった。

▽2回戦 健大高崎―天理(14時29分、7000人)

天理(奈良)
110000200─4
000000000─0
健大高崎
(天)達―政所
(健)野中、今仲、高松―綱川


 ○…健大高崎は自慢の強力打線が沈黙、四回の吉里の左前打、八回の堀江の右前打と2安打に抑え込まれ、8三振を喫した。堀江や高村らがファウルで粘って6四球を選ぶなど相手主戦を揺さぶったが、決定打に欠けた。

 投げては2番手今仲が4回1/3を無失点と奮闘し、チームをもり立てた。試合中盤は互角の展開に持ち込んだだけに、打撃の援護がほしかった。

◎本塁遠く強打の本領発揮できず

 自慢の強力打線が抑え込まれ、1点が遠かった。25日に甲子園球場で行われた選抜高校野球大会第6日で、本県の健大高崎は天理(奈良)に0-4で敗れた。相手の本格派右腕の直球を捉えきれず、得点を奪えないままゲームセット。4年ぶりの春の聖地を2回戦で去ることになった。

 最後まで健大高崎らしさを発揮できなかった。天理の本格派右腕、達孝太を攻略できず、強力打線と評された健大が放ったのはわずか2安打。本塁を一度も踏むことなく試合が終わり、青柳博文監督は「(健大の)野球をさせてもらえなかった。完敗だった」と唇をかみしめた。

 140キロ後半の速球に、切れのある変化球を織り交ぜられ、昨秋以降の公式戦で最多となる8三振を喫した。追い込まれても粘りを見せたが、高めの球に手を出し、飛球でのアウトは13に上った。「終盤には焦りが出て、じっくりボールを見ないで凡打を築かれた」(青柳監督)。最後まで負の連鎖から抜け出せなかった。

 好機も相手の堅守につぶされた。2点リードされた三回は9番今仲泰一、1番堀江晃生が四球を選び2死一、二塁としたが、けん制で封じられた。先頭打者の吉里竜門が安打で出塁した四回は二盗を刺され、1死一、二塁となった八回のチャンスも併殺に打ち取られるなど、反撃の糸口さえつかめなかった。

 新チーム発足後、公式戦では初の敗戦。不本意な結果だったものの、大舞台での経験で得たものも多い。昨秋の県予選以来の登板となった右腕今仲は「負けて気付かされたことがあった。自分を過信せず、『一番弱い』という気持ちでいなければいけない」とたくましさをみせる。

 小沢周平主将は「幸いなことに(甲子園は)まだある。全てのことをもう一度、ゼロから積み上げたい」と力を込める。敗れた悔しさを受け止め、再び挑戦の日々が始まる。(斎藤大希)

◎今仲力投 4回2安打無失点 「夏へ大きな収穫」と青柳監督

 「ずっと頼りっぱなしだったので、なんとか結果を出したかった」。半年ぶりの公式戦登板となった背番号10の今仲泰一は、決意を胸に甲子園のマウンドに立った。

 昨年8月、オーバーワークにより右肘の靱帯を損傷。昨秋の県大会は2試合計2回の登板にとどまった。関東大会ではメンバー入りせず、治療に専念。4カ月間、ボールを握らなかったが、焦りはなかった。走り込みで下半身を鍛え、チームに貢献できる日を待った。

 出番は2点をリードされた二回2死一、三塁で回ってきた。先発の野中駿哉ら仲間たちが勝ち取ってくれた甲子園の舞台。ピンチでの登板にも「しっかり自分がカバーしなければ」と強い気持ちで向かった。捕手綱川真之佑の要求通り、140キロ台のストレートで三振に仕留め、追加点を許さなかった。

 4回1/3を直球とスライダーを組み合わせて3奪三振、被安打2の無失点で切り抜けた。青柳博文監督は「夏に向けて大きな収穫」と期待を寄せた。

 この日の最速は自己最速に届かない142キロ。2四死球も与え、満足できる結果とは言い切れない。今仲は「ストライクを先行してとれたのは良かった」と振り返りつつ「夏は一戦も負けたくない」と悔しさも忘れなかった。

◎堀江が甲子園初安打

 ○…1番堀江晃生が4打席目で本来の力を発揮した。4点リードされた八回1死一塁、甘く入った変化球を右前に運び、自身の甲子園初安打を放った。チームは敗れたものの、好右腕との対決は「一球一球気持ちがこもっていたので楽しかった」と振り返った。

 初戦は無安打。「打ちたい気持ちが前面に出てたのが原因」と分析し、この日は気持ちを落ち着かせて試合に臨んだ。9番今仲泰一が出塁した三回には、力強い投球に6度のファウルで食らい付いて、四球を誘って好機を広げた。

 悔しい敗戦となったが「全国レベルの投手から打てるように、一から打撃を鍛え直したい」と前を向いた。

◎遊撃・吉里 守備力を発揮

 〇…2番打者の吉里竜門は2点を追い掛ける四回、天理のエース、達からチーム初安打を放った。初回の第1打席は見逃し三振に倒れていただけに、「自信になった」と振り返った。

 達は193センチの長身から投げ下ろす、速球が特徴。天理戦に向けて、チームは投手を台に乗せ、約2メートルの高さから投げ下ろす球を打ち返す練習を重ねてきた。それでも、「思ったよりスピードがあり、差し込まれた」という。

 守備では三回、天理の4番打者が三遊間に放った打球をすかさず捕球。八回にも中前に抜けそうな打球を体を回しながら1塁に送球するなど守備力を発揮した。

 「まだまだ試合をしたい。あと3カ月やり抜いて、濃い夏にしたい」。敗戦を糧に再び甲子園の舞台に戻ってくるつもりだ。

◎声を出して選手励ます 浮田記録員

 ○…記録員を務める3年の浮田雄大は「部員やマネジャーの気持ちを背負い、自分ができることを考えて精いっぱいやる」と意気込んでいた。試合には敗れたが、聖地で貴重な経験を積むことができた。

 昨秋の練習で負傷し落ち込んでいたところ、赤堀佳敬コーチから「記録員はどうか」と提案されたことがきっかけ。仲間の後押しもあり、関東大会で初めて記録員を担った。

 試合の局面で対戦相手の特徴などを各選手に伝えることも重要な役割。試合開始前の円陣では中心で声を出し、チームを活気づけることもある。

 19日の選抜大会初戦では「全身全力」と叫んだ。「『全身全霊』が普通だと思うんですけど、一文字間違えたら面白いかなって」。選手が緊張せず、試合で力を発揮できるよう最善を尽くしてきた。

《熱球解説・高橋幸男》高めの速球に振り負ける

 健大高崎打線が、天理(奈良)の主戦達孝太君をどう攻略するか注目していた。上背があり、球種が豊富で上体も柔らかい好投手。1回戦の宮崎商戦は切れのある直球を投げ込んだ一方で、下半身の不安定さからリリースポイントがばらつき、制球にやや不安があった気がする。どう見極め、対応するかがポイントになると思われた。

 0-4の2安打で敗れはしたが、健大打線はしっかり振り切っていた。各人がフルスイングできる、振れる体力がある、しっかり鍛えられている印 象を持った。ただ、達君の投球がそれを上回った。1回戦と別人のように下半身がしっかりし、ここぞという場面でコースを外さなかった。

 試合全体でフライアウトが13個。健大打線はベルトより少し上の球でやや差し込まれていた。高めの速球に振り負けないスイングを夏までに身に着けてほしい。

 健大は点の取り合いにたけ、県、関東を勝ち抜いた。序盤の2失点はいつでも覆せるように思えた。だが、三回のけん制死、四回の盗塁失敗と続き、ベンチとしては慎重にならざるを得なくなった。「機動破壊」という情報はあっても対策できるかは別問題。それだけ天理は守備面もしっかりつくってきていた。

 苦しい展開ほど1点もやらないという投球の踏ん張りがいる。六回まで被安打8の2失点と耐えたが、最後に力尽きた印象。直径が約7センチ以下のバットで140キロ前後の丸い球を打つ打者の感覚は非常に微妙なもの。援護がない時こそ守備で持ちこたえたい。先発、中継ぎ、抑えといった勝ちパターンの継投確立は夏への課題と感じた。

 投手個々で見ると、今仲泰一君は二回のピンチに継投してしっかり後続を断った。高松将斗君は七回にスライダーを打たれて失点したが、直球に威力を感じた。天理打線には単打でうまくつながれた印象で、もっと直球主体の強気な投球ができたように思える。

 先発野中駿哉君の変化球は悪くなかったが、打者の手元で曲がる際の切れが少し足りなかった。天理のような全国クラスには対応される。変化球を生かすためにも、夏までにしっかりと直球を投げ込んで磨きを掛けてほしい

 今後は「打倒健大」を合言葉に県内有力校が向かってくる。そこに負けず、夏の甲子園でのリベンジに期待したい。

 (元前橋工高野球部監督)

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