福田治男監督を解任 群馬・桐生第一高 成績不振が原因か
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福田治男氏

 全国高校野球選手権大会を群馬県勢で初制覇した桐生第一高の福田治男氏(56)=桐生市=が野球部監督を解任されたことが30日、分かった。福田氏は同部創設から30年以上、指揮を執ってきたが、2008年を最後に夏の甲子園から遠ざかり、今夏は群馬大会2回戦で敗退した。成績不振などが主な原因とみられる。

◎今泉コーチが昇格し秋の県大会へ

 関係者によると、同日開かれた野球部保護者会で、学校側が福田氏の解任を報告し、今泉壮介コーチ(38)を監督に昇格させて秋季県大会に臨むと説明した。福田氏は「3年間面倒を見ることができず、生徒たちに申し訳ない」と謝罪。保護者から今後の部や寮の管理体制などについて質問が出たという。

 福田氏は上毛新聞の取材に対し、「やり残した思いはあるが、生徒の動揺を抑え、大会に集中できる環境が優先。健全な部になってほしい」と話した。

 福田氏は同市出身。1979年に埼玉・上尾高で夏の甲子園に出場した。東洋大卒業後、桐生第一が野球部を創部した85年に監督に就任。91年春に初めて甲子園に導き、99年夏に県勢初の全国制覇を果たした。甲子園は春夏通算14回出場し、17勝13敗1分け。不祥事の責任を取って2008年8月に監督を辞任、翌年復帰した。

◎「目標だった」「暴力根絶できず」 関係者 思い複雑

 桐生第一高野球部を全国区の強豪に育て上げ、群馬県に「深紅の大旗」を初めてもたらした福田氏が監督を解任された。関係者は「チーム内暴力を根絶できなかった。成績だけの問題ではない」と監督責任を指摘する。一方、その指導手腕に「桐生第一の野球が好きで子どもを預けたのに」、「いとも簡単に辞めさせるのか」と功績を惜しむ声も上がった。

 30日の保護者会への出席者によると、学校側は解任の事実のみ伝え、理由を問う保護者もいなかった。2年生の男性保護者は「相手がパワハラと思えば、それはパワハラ」と話し、前部長の体罰問題などを防げなかった責任はあるとした。1年生の女性保護者は「これから部は良くなっていくと思う」と期待した。

 同校野球部OB会の高島幸夫会長(48)=みどり市=は「部員が伸び伸び野球できる環境を。OBも一致団結して応援する」と、名門再建へ力を込めた。

 桐生第一を追い掛けてきた他校指導者からは、手腕を惜しむ声が上がった。健大高崎高の青柳博文監督は「群馬県のレベルを上げた大功労者。目標とした時期があり、喪失感に近い思い」。前橋育英高の荒井直樹監督は突然の退任に驚き、「自分たちが力をつけるために欠かせず、ありがたい存在だった」と振り返った。

 元農大二高野球部監督で解説者の斎藤章児さんは「群馬を最初に全国制覇へと導き、群馬の野球を全国にとどろかせた。こういった形で辞めてしまうのは残念でならない」と話した。

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