《支える育てる》いつでも最高の芝を 敷島公園グラウンドキーパー・津布工ゆうさん
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グラウンドキーパーを「究極の裏方」と話す津布工さん

 グラウンドを管理するグラウンドキーパーとして、県立敷島公園(群馬県前橋市)にある正田醤油スタジアム群馬、上毛新聞敷島球場などで整備に当たる。新型コロナウイルスの影響で施設利用は少ないが、芝の管理は通年続く。グラウンドに選手が戻るまで、最高の状態をキープしている。

 「僕らは『究極の裏方』。当たり前のように試合が終わって、僕らが目立たない方が良い」。グラウンドキーパーは広大な芝生の刈り方や発育を天候によって見極める繊細な仕事。良好な芝を維持し、監督や選手にストレスを与えないことが最大の目的だ。

 サッカーJ2のザスパクサツ群馬が本拠地とする正田醤油スタジアム群馬は年間を通して緑を保つため、季節に合った夏芝と冬芝を交互に育てている。春と秋にそれぞれ休眠と発育を促し、徐々に種類を交代させる。群馬県の夏は高温多湿のため、夏芝をベースにする期間が長い。

 正田スタジアムは陸上大会とJリーグの試合が同じ日に開催されることもある全国的に珍しい施設。ザスパのナイターが始まる前に日中の投てき種目によって傷んだ芝を補修したり、試合直前に芝を刈ることもある。

 西邑楽高までサッカー部だった。大学時代に「Jリーグの世界に携わろう」と決め、グラウンドキーパーの仕事に出合った。卒業後に造園会社で働き始め、J1チームの練習場やスタジアムの整備に携わり、業界で著名な職人たちの下で技術を学んだ。県立敷島公園には2015年から勤務している。

 もともと性格は心配性。夏場、日が昇る前にピッチへ自動的に散水するよう機械を設定しても、実際に稼働するかが気になり、見に来ることもある。サッカーの試合中は選手経験を生かしてプレーをよく観察。「サイドのプレーが多い」「フリーキックで強く踏み込んでいる」とチェックし、ハーフタイムに重点的に補修する。

 今年のザスパは開幕戦のみ消化し、高校野球の県大会はまだ利用がない。施設利用がないことで、例年になく芝の状態は良いという。「選手がけがをしないよう、硬すぎても、軟らかすぎてもいけない。早くプレーする姿を見たい」。スポーツイベント再開を待ち望んでいる。

 つぶく・ゆう 1991年1月生まれ、館林市出身。西邑楽高―立正大。J1の湘南、川崎、FC東京の練習場やスタジアムの管理を経験した。

◎梅雨時の手入れ入念 ホーム全勝に貢献

 昨季のザスパクサツ群馬はJ3で2位となり、J2昇格を決めた。両サイドを中心とした攻撃が多く、津布工さんは「去年ほどサイドがへこんだシーズンはなかった」という。

 ピッチが荒れやすい梅雨の6月に例年より多いホーム3試合が組まれていた。5月まで2勝4敗3分けと調子が上がらなかったこともあり、「われわれが後押しできるよう、念入りに整備した」ことでピッチは良好な状態を保ち、6月は見事、ホーム戦全勝。その後の快進撃につながった。

 指導者も芝への関心はさまざまだ。昨季まで指揮した布啓一郎監督(現J2松本)は試合ごとに芝の長さを細かくチェック。短く刈ることや試合前の散水をリクエストしていた。

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