県民のクラブに 堅守で勝ち点を ザスパ 新社長と新監督が抱負
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「見通しは明るくなってきた」と話す奈良氏(右)と「勝ち点に貪欲になりたい」と意気込む布監督

 サッカーJ3ザスパクサツ群馬を運営する草津温泉フットボールクラブ(草津町)の社長に2月1日付で就任する奈良知彦氏(63)と、監督の布啓一郎氏(57)が15日、上毛新聞の取材に応じ、J2復帰を目指す新シーズンの抱負を語った。

 両氏は同日、前橋市古市町の上毛新聞社を訪れ、渡辺幸男会長と北村幸雄社長と面会後、インタビューに応えた。開幕を3月に控え、経営状況やチーム方針に触れ、「皆さんに育ててもらう県民球団にしたい」(奈良氏)「堅守で勝ち点にこだわるチームを作る」(布氏)と意気込みを語った。

 元前橋商業高サッカー部監督の奈良氏は同部を2年連続で全国高校選手権4強に導き、現在は育英短大特任教授。布氏は千葉県出身で、長く地元の市立船橋高を指揮し、8度の全国優勝を誇る名門に育てた。退職後は年代別の日本代表監督を経験し、昨季はJ2岡山でコーチを務めた。

 ザスパは創設15周年の昨季、J2最下位でリーグ戦を終え、クラブ史上初めてJ3に降格。責任を取り、現社長の都丸晃氏(60)らの退任が決まった。

◎「見通し明るく」…次期社長・奈良知彦氏 一問一答

―J3降格1シーズン目の就任となった。
 多くの方に「立て直すのはお前しかいない」と言っていただいた。力はないと自覚しているが、みんなが協力すると言ってくれている。私が社長になることで一つになる。そういう役目と思い、引き受けた。会社の運営は1人でなく、みんなでやっていくしかない。それが「団結の力」だと考えている。

―昨年1月期の決算は3期ぶりの赤字。経営状況は予断を許さない。
 「こういう時だから応援しよう」と言ってくださる方も少なくない。強化基金に寄付していただいたり、支援の輪も広がっている。選手の移籍でお金も入ってくることになった。見通しは想定より明るくなってきたように思う。

―スポンサーの維持、獲得の現状は。
 まだ動き始めたところだが、やや厳しい状況にある。応援してくれる人もいれば、当然ながら「様子を見る」という人もいる。チームが勝って話題になることが資金集めにつながるのはもちろんだが、サポーターやファンとの距離を縮め、その数を増やしていきたい。「人気」という価値を生み出せればスポンサーを説得する大きな材料になる。

―いっそうの企業努力が求められる。
 社員の意識改革に取り組みたい。一人一人の能力は疑いない。社内のチームワーク、その良さが生きる組織づくりをしたい。取締役も本気になって経営に協力してくれている。県民の信頼を得られるような情報発信もしていきたい。私自身もツイッター(会員制交流サイト)を始め、苦労しながら運用している。

―ザスパに対する県民の関心はまだまだ低い。
 今季は若い層に来てもらいたくて、大学生のシーズンチケットを思い切って値下げした。初めて小中高生と同じ料金になる。スタジアムであの感動を、熱気を味わって応援してほしい。社会人になっても足を運んでもらえるようにしたい。

―地方のサッカークラブはどうあるべきか。
 財源的には厳しいところが多い。大企業がいくつもあるわけではなく、理解が得づらい面もある。だが、群馬は県民が温かい。県民クラブとして皆さんに育ててもらえる、参加してもらえるチームをつくりたい。

◎「実感出てきた」…布啓一郎氏

―昨年11月に就任発表。ここまでを振り返ると。
 新チームの補強に関わりながらプレシーズンに向けた計画、プランを準備してきた。(今月)11日に前橋市内に移り住んだ。2018年シーズンが始まった実感が出てきた。

―昨季は失点88、得点32ともにリーグ最悪だった。
 年間リーグは短期のトーナメントとは違い、どのチームにも好調期と、不調期が必ず訪れる。悪い流れの時に、いかに早く脱却できるかが大切。そのためには堅守、守備の安定が欠かせない。その基盤をつくった上でリスクを取り、思い切りの良い攻撃をしていく。それが失点を抑え、相手より1点でも多く得点して90分を終えることにつながっていくと考えている。

―選手の多くが残留を決めた。編成の手応えは。
 まず残留を選んでくれた選手たちに感謝したい。新入団も構想通りの選手が来てくれた。あとはこれからのプレシーズンでいい準備をして、全員が自信を持って開幕に臨みたい。

―今月20日にチームが始動し、3月11日の開幕に向けたチームづくりが始まる。
 基本的な技術や基本戦術を全員で共有して、擦り合わせていきたい。実際に動いていく中でバランスを取っていくことになると思う。過度に要求を高くすれば苦しくなり、低すぎれば練習がぬるくなる。そのラインの上げ下げをしっかりやっていきたい。

―J2復帰は短期決戦。
 J2の42試合に対して、J3は10試合少ない。勝つことを求めるのは当然だが、負け数を少なくする必要も出てくる。昨季にJ2復帰を決めた栃木さんは年間で4敗しかしていない。勝ち点を一つでも多く積み上げ、得失点差はマイナスを少なくし、1でも2でもプラスを増やす。その辺りに貪欲になりたい。

―群馬の印象は。
 気候でいえば厳しい面もあるというが、山があって川があって、風光明媚めいびで温泉も多い。親分肌の奈良さんと山田さん(耕介、前橋育英高監督)には高校サッカーで鍛えていただいた。群馬には恩も感じている。

―愛称は。
 珍しい名前だから「ヌノ」と呼ばれることが多い。奈良さんは「けいちゃん」。好きに呼んでもらえたら。

◎トップチーム長崎でキャンプ

 J3ザスパクサツ群馬は15日、トップチームのトレーニングキャンプを昨年に引き続き長崎県島原市で行うと発表した。2月3~9日、市営陸上競技場など2カ所で実施し、開幕戦となる3月11日のアウェー福島戦に備える。

◎DF呂成海がKリーグ移籍

 J3ザスパクサツ群馬は15日、DF呂成海ヨソンヘが韓国Kリーグ慶南FCに完全移籍すると発表した。

 呂は同国出身の30歳。2010~14年に鳥栖でプレーし、J1昇格に貢献。昨季途中にJ2松本から加入し、リーグ戦16試合に出場した。「6カ月という短い期間でしたが、いつも応援してくださり本当にありがとうございました。韓国の地からいつも応援します」とコメントした。

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