《サンダーズ終戦 非情の決着(下)》感染が拡大 苦渋の決断 
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無観客で行われた青森―群馬の試合会場。声援がない中、選手は黙々とアップに励む=14日、青森・八戸市東体育館

 新型コロナウイルス感染症が拡大するにつれ、バスケットボール男子のBリーグは混乱の一途をたどった。今季打ち切りに踏み切るまで2度の中断を余儀なくされ、社会情勢を見ながら苦渋の決断を繰り返した。2部(B2)の群馬クレインサンダーズも渦中にあった。

■楽観論
 最初の中断は2月26日に決まった。約2週間分、99試合を延期し、3月14日の通常再開を目指した。再開3日前に無観客へ方針転換したものの、リーグ関係者には「試合はできる」との楽観があった。

 潮目が変わったのが14、15日に行われた無観客試合。1部(B1)の選手や審判員が発熱を訴え、両日ともに1試合が中止となった。群馬の宇留賀邦明ゼネラルマネジャー(GM)は「これで状況が変わった」と指摘する。

 各チームの選手が不安や疑問を訴え始め、リーグはすぐに4月1日までの試合中止にかじを切った。以降の試合も状況を見て判断するとした。関係者の多くはレギュラーシーズン打ち切りを覚悟した一方、昇格・降格のかかる5月のプレーオフは実施されると考えていた。しかし情勢は日に日に悪化し、全日程中止に追い込まれた。

■危機感
 国際色豊かなBリーグゆえの悩みもあった。各チームは複数の主力外国人選手を抱える。世界中で感染症の脅威が増して帰国する選手が相次ぎ、試合の公正性が揺らいだ。群馬の外国人3選手は練習を続けていたが、ハンガリー出身のFWロスコ・アレンは「母国の祖母が心配」と不安をにじませた。

 フロントも頭を抱えた。練習拠点の体育館が急きょ閉館になり、会場確保に奔走した。ホーム戦のチケットやグッズ収入が断たれ、スポンサー営業にも支障が出た。

 群馬は親会社のオープンハウス(東京)が経営を支える見込みだ。他方、大企業の支援がないクラブの窮状は計り知れない。宇留賀GMは「来季も同じような状況にならないとは限らない。全クラブで話し合い、お金を生み出す案を考えないと」と危機感を強めた。

 Bリーグは誕生からまだ4季、他競技のプロリーグに比べて基盤が弱い。不測の事態に直面した際の運営やクラブ経営の在り方を関係者全てが模索していくことになる。

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