第5回上スポーツ賞  小中学生の部

国体Vで全中の雪辱
 陸上 越谷奈都美選手(15歳) =新島学園中3年

越谷奈都美
昨年10月の秋田わか杉国体で少年女子B八百メートルに出場、最後の直線で4人を抜き優勝した。「全中(全国中学体育大会)で悔しい思いをしたのでうれしかった」。最終コーナーから、165センチの長身を生かした大きなストライドで加速、全中2連覇した鈴木亜由子(愛知・時習館高1年)をとらえゴールした。
昨年の県中学生総体同種目で2分9秒46の県中学新記録で優勝、本年度の全国ランキング1位のタイムをマークした。優勝を期待された全中大会だったが、大会2週間前の合宿で右足首を負傷、準決勝で涙をのんだ。
中村信勝監督(44)は「スピード能力が高く、競技に取り組む姿勢もしっかりしている。バルセロナ五輪代表にもなった五十嵐美紀(新島高―リクルート)以来の逸材」と絶賛する。
昨年11月の東日本女子駅伝で8区を走り3位入賞に貢献、今年1月の全国都道府県対抗女子駅伝にも出場するなど大舞台を経験した。今春、新島学園高に進学。「インターハイで優勝し、八百メートルの高校記録を出したい」と抱負を語る。

跳馬で全国の頂点に
 体操 武田一志選手(15歳) =伊勢崎あずま中3年

武田一志
昨年8月、体操の全国中学校体育大会(全中)に出場、得意の跳馬で全国の頂点に立った。 初日が規定演技で最終日が自由演技。跳馬の規定演技は、腕を突いた反動を利用して前方に1回転する「転回」に挑戦。自由演技は、側転から後方宙返りをする「伸身ツカハラ跳び」を選んだ。
大観衆が見守っていたため「緊張した」というが、初日はダイナミックな跳躍による、長い滞空時間の演技を披露。9・750点をマークしてトップに立った。自由演技でも首位タイの9・700点。2位に約0・2点差をつけて圧勝した。
父の国広さん(51)が運営するタケダ体操クラブに所属し、5歳から競技を始めた。同クラブの先輩にはソウル五輪代表、森村幸子もいる。恵まれた環境の中で力を伸ばし、県中学総体では1年から個人総合3連覇。全中は2年生から出場していた。
「将来の夢は、五輪に出場して団体、個人総合でそれぞれ金メダルを獲得すること」。大きな夢を胸に秘め、4月から体操の名門、埼玉・埼玉栄高に進学する。

ジュニア2大大会制覇
 スキー 尾形峻選手(15歳) =みなかみ水上中3年

尾形峻
今年1月、石川県で行われた全国中学校スキー大会(全中)の男子大回転で優勝。県勢2人目の快挙を達成した。大会では1本目から果敢に滑走。長身を生かしたダイナミックな滑りで北海道勢などの強豪を抑えて首位に。優勝への重圧が懸かる2本目も積極的に攻め続け、そのまま逃げ切り、初の栄冠を勝ち取った。
スキースクールの講師だった父母の影響で、幼いころからスキーに慣れ親しんできた。中学1年時にはジュニアオリンピック回転で4位、大回転で3位にそれぞれ入賞。昨シーズンはスウェーデンで行われた国際チルドレン大会に日本代表として参加するなど国内屈指の実績と経験を積み重ねてきた。
今月行われたジュニアオリンピック回転で優勝を飾り、大回転でも3位に入った。全中大回転と合わせて、国内ジュニアのビッグタイトル2冠を達成した。
4月からは県内の高校へ進学する。大きな期待を背負う県スキー界の逸材はさらなる飛躍を目指す。

個人メドレー自己新で制す
 水泳 正田達成選手(15歳) =太田綿打中3年

正田達成
昨年8月、岩手県で行われた全国中学水泳競技大会(全中)の男子二百メートル個人メドレーで、自己ベストを2秒近く縮める2分7秒70で優勝した。「得意の四百メートル個人メドレーで優勝を逃した(2位)ので、気合を入れて泳いだ」という。
男子二百メートル個人メドレー決勝は9人で行われた。最初のバタフライで7位だったが、続く背泳ぎで4位に追い上げた。勝負どころと決めていた得意の平泳ぎでトップに立つと、最後は2位に1秒38差をつけゴールした。
小学3年から競技を始めた。4年時は全国JOCジュニアオリンピックカップの二百メートル個人メドレーで4位になり非凡さを発揮。昨年7月の県中学総体四百メートル個人メドレーでは、4分39秒17の大会新記録で3連覇を達成した。
高崎の群馬SSで腕を磨く。平日は3時間、週末は5時間以上のトレーニングをする。一万メートルを2回泳ぐこともある。今春、前橋育英高に進学するが「高校はレベルが違う。インターハイの決勝に残れるよう頑張りたい」と新天地での飛躍を誓う。

第5回上スポーツ賞  高校生の部

「国内」総なめ次は「世界で」
 水泳・飛び込み 村上和基選手(18歳) =前橋育英高3年

村上和基
昨年の室内選抜、日本選手権を制し、得意の高飛び込みで念願の「日本一」の座を射止めた。インターハイ、国体では、板飛び込みも含めて両大会2冠を達成した。
身長155センチと小柄だが、この体形を生かして高所から飛んで見事な回転技を繰り出す。日本一後のインターハイで披露した「前逆宙返り3回半抱え型」は、1回の演技として自己最高の96点をマーク。「あそこまで良い決まり方は、自分の飛び込み人生で初めて」と胸を張った。一方、カナダ、アメリカで行われた国際大会では「浮足だって」振るわなかった。
日本王者の今後の目標は「世界で結果を出す」こと。高い難易率の技に挑戦しながら、技の安定性を高めるのが大きな課題となる。
今年の最大目標だった北京五輪出場は、代表選考会を兼ねた2月のワールドカップ(W杯)で演技を失敗、夢を逃した。
今春から上武大へ進学し、現在の練習環境を継続する。まずは3年後の世界選手権、そして4年後のロンドン五輪を目指す。

県勢8年ぶりの3冠
 レスリング 富塚拓也選手(15歳) =関学附高3年

富塚拓也
昨年の全国高校総体(インターハイ)66キロ級で優勝。その勢いに乗り全国高校グレコローマン選手権、国体と続けて制覇し、全国大会3冠を達成。本県選手として8年ぶり3度目の快挙を成し遂げた。
飛躍の転機となったのは昨年のインターハイ。決勝戦の最終第3ピリオドの残り10秒からの鮮やかな逆転勝ち。この一戦が「自信になった」。持ち前の最後まで勝負をあきらめない姿勢を貫き、国体でも終盤までもつれた接戦を制し、栄冠をつかんだ。
小学2年の時に明和レスリングクラブで競技を始め、全国中学生選手権大会(全中)3位入賞の実績を持つ。2年前のJOC全日本ジュニア選手権(グレコローマンスタイル・58キロ級)で初優勝を遂げ、アジア大会(タイ)に出場した。しかし、その年のインターハイは3回戦で敗退。悔しさをバネに人一倍の努力を重ね、技術を磨いた。
今春から大学レスリングの名門、日体大に進学する。「一生懸命練習して大学でも日本一を目指す」と新天地での活躍を誓い、再び全国の頂点を目指す。

国体と「アジア」制す
 ボート 栗原誠和選手(15歳) =館林高3年

栗原誠和
シングルスカル(一人乗り)に専念した昨年は数々の輝かしい結果を残した。6月のJOCジュニアオリンピックカップで優勝、10月は国体少年男子優勝に続き、アジアジュニア選手権も制した。社会人が参加した全日本選手権でも堂々の3位入賞を果たした。
ボートを始めたのは高校入学後。「先輩たちが元気よく練習していた」姿が決め手となった。中学時代の陸上部で培った強靱(きょうじん)な肉体を武器に、めきめきと成長。2年の夏には世界ジュニア選手権の日本代表6人に選ばれて出場した。
人一倍努力も重ねた。大きな大会の前は同校の金田俊介監督に付き合ってもらい、毎朝午前4時ごろから練習に打ち込んだ。地道な練習が実を結び、終盤になってもスピードが落ちないスタミナと、「練習の質と量、ボートに懸ける思いは誰にも負けない」という強い気持ちを手に入れた。
より良い練習環境を求め、今春から日大に進学する。目標は全日本選手権優勝。ジュニア日本一から真の日本一を目指す。

個人メドレー自己新で制す
 水泳 正田達成選手(15歳) =太田綿打中3年

正田達成
昨年8月、岩手県で行われた全国中学水泳競技大会(全中)の男子二百メートル個人メドレーで、自己ベストを2秒近く縮める2分7秒70で優勝した。「得意の四百メートル個人メドレーで優勝を逃した(2位)ので、気合を入れて泳いだ」という。
男子二百メートル個人メドレー決勝は9人で行われた。最初のバタフライで7位だったが、続く背泳ぎで4位に追い上げた。勝負どころと決めていた得意の平泳ぎでトップに立つと、最後は2位に1秒38差をつけゴールした。
小学3年から競技を始めた。4年時は全国JOCジュニアオリンピックカップの二百メートル個人メドレーで4位になり非凡さを発揮。昨年7月の県中学総体四百メートル個人メドレーでは、4分39秒17の大会新記録で3連覇を達成した。
高崎の群馬SSで腕を磨く。平日は3時間、週末は5時間以上のトレーニングをする。一万メートルを2回泳ぐこともある。今春、前橋育英高に進学するが「高校はレベルが違う。インターハイの決勝に残れるよう頑張りたい」と新天地での飛躍を誓う。

第5回上毛スポーツ賞  一般・大学生の部

48年目、悲願の日本一
 ラグビー 三洋電機ワイルドナイツ 

三洋電機ワイルドナイツ
三洋電機ワイルドナイツ 48年目、悲願の日本一 ラグビートップリーグで史上初の全勝(13勝)を達成。今月16日まで行われた日本選手権で初優勝した。長年、新日鉄釜石や神戸製鋼などライバルの“引き立て役”に甘んじてきた野武士軍団が、創部48年目にして初めて単独日本一を手にした。
選手一人一人の判断力の向上が今季の快進撃を支えた。自由奔放に動く攻撃側の選手を守備側の選手が捕まえるなど、“遊び”を採り入れた練習を繰り返したことで、局面ごとに適切なプレーを選択できるようになった。
就任4年目を迎えた宮本勝文監督の指導が浸透。目指してきた「自律してプレーできるチーム」に仕上がった。指揮官が「タックルなど格闘技の力が足りない」と指摘すると、選手は自発的に改善に着手。タックルの感覚が体に染み込むまでトレーニングした。
控え選手の意見も積極的にチームづくりに採り入れた。榎本淳平主将の言葉通り、「チーム44人の勝利」だった。
今季、プレーオフ、日本選手権と覇を競ったサントリーとは12年前、全国社会人大会決勝で引き分けていた。強豪復活を印象付けたシーズンの最後で因縁の相手を力でねじ伏せ、涙の歴史と決別した。

日本新でW杯決勝へ
 スケート 田上真一選手(23歳) =慶応大4年

田上真一
本県ショートトラックスピードスケート界をけん引してきた。昨年、大学限りでの現役引退を決め、「スケート人生の集大成」として臨んだ今季。ワールドカップ(W杯)や世界選手権に出場するなど、国内外で過去最高のパフォーマンスを発揮した。
2月のW杯ソルトレークシティー大会男子千五百メートルでは、国際舞台で自身初となる決勝進出を果たした。タイムも2分12秒038をマークし、日本記録を9年ぶりに更新した。
小学5年から始めたスケート競技。高校生後半に大きく飛躍し、2年時に国体千メートル2位。大学ではレース運びに磨きをかけ、W杯やアジア大会などでも活躍した。
引退を決めての今季は練習量を増やし「1試合も無駄にできない」と気合を入れた。国内大会で上位に入って日本代表に選ばれると、後輩らに「『ここまで行ける』ところを見せたい」と、目標を国際大会での決勝進出に定めた。
そして、その目標を実現してみせた。大学卒業後は大手商社へ入社し、今度は企業戦士として世界で活躍する。

特別賞

17歳でウィンブルドン
 テニス 森田あゆみ選手(18歳) =キヤノン

森田あゆみ
昨年6月、テニスの四大大会の一つ、ウィンブルドン選手権の本戦初出場を果たした。 17歳3カ月での四大大会本戦出場は、1990年に全仏に出場した沢松奈生子の17歳2カ月に次いで日本女子史上2番目の若さ。1回戦で第28シードのマラ・サンタンジェロ(イタリア)に敗れたが、1セットを奪う健闘で、「とにかく思い切ってプレーした。自分の持っている力を出し切った」と振り返った。
フォア、バックともに両手打ちの強打が武器。昨年前半は周囲の期待をプレッシャーに感じ、世界ランキングも200位まで落としたが、徐々に復調。ウィンブルドン本戦出場で弾みを付け、年末のランキングは138位まで上げた。
テニスを始めたのは小学2年。13歳から杉山愛らを育てた丸山淳一コーチに師事し、05年4月には日本最年少の15歳1カ月でプロに転向した。
昨年4月、3年半を過ごした神奈川県を離れて太田市の自宅に拠点を移した。「やっぱり落ち着く」。世界の舞台に挑む森田にとって、家族と過ごす時間は大きな支えになっている。
今年は、予選なしで四大大会本戦に出場できる「100位以内に入ること」が目標だ。北京五輪出場の期待もかかる。最終目標のグランドスラム制覇に向け、まずは目の前の階段を一段ずつ踏み締めていく。

史上初、2度の年間王
 ◎ラリー 新井敏弘選手(41歳) =スバル

新井敏弘
昨季、自動車のプロダクションカー世界ラリー選手権(PCWRC)で2005年に続き、史上初となる2度目の優勝を飾った。
1990年、BC地区戦(東北、関東)のクラスチャンピオン獲得を皮切りに、92年に全日本ラリー選手権Bクラスチャンピオン、97年には同選手権シリーズチャンピオンにも輝いた。98年からは世界ラリー選手権(WRC)に参戦し、世界各地を転戦。一流ドライバーたちと競い合うことで、技術や精神力を磨いてきた。
2003年からは現在のPCWRCに戦いの場を移し、いきなり3勝を挙げ2位に。05年には4勝を挙げ、年間優勝を達成した。連覇を狙った06年は総合6位にとどまったが、07年には序盤からコンスタントにポイントを獲得し、再び王座に返り咲いた。
今季は自身初となる「ハッチバック型」の新型スバル・インプレッサWRXで参戦する。第1戦となったスウェーデン戦では6位に入るなど、上々の滑り出しをみせている。今後はアルゼンチンやギリシャなどを転戦し、第7戦の日本戦まで激しい争いを繰り広げる。
世界最高峰の舞台で経験を重ね、前人未到の連覇を狙える位置までたどり着いた。信頼を寄せるマシン、スタッフと共に総合力での偉業達成を目指す。


スポーツ振興功労賞

 28年で全国優勝44回
 前群馬銀行 バレーボール部監督 川合輝男さん(60歳) 

川合輝男
1976年から28年間にわたり群馬銀行バレーボール部の監督を務めた。監督就任5年目の81年、全日本総合選手権で頂点に立つと、83年のあかぎ国体優勝に始まり、国体優勝は5連覇を含む13回(全国優勝44回)と輝かしい実績を誇る。日ごろの指導は、チーム内での人間関係を重んじ、精神面の強化はもとより選手の健康管理から座禅など独自の練習法を採り入れ、チーム力の強化を図ってきた。
2000年に全国主要大会で「4冠」を達成。翌年は、都市対抗・実業団・国体・総合・実業団選抜とすべての全国大会を制し、9人制女子では史上初の「年間グランドスラム」を成し遂げ、常勝軍団としての地位を築き上げた。4年前、部の将来を考え、「今後はバレー教室などを含めた地域貢献に力を入れていきたい」と後進に道を譲り、一線を退いた。
昨年からは顧問としてチームを陰から支える。根っからのバレーボール好き。「これからも子供たちに夢を与え、お世話になった地元に恩返ししていきたい」。まだまだ意欲は衰えていない。